(写真: Photo by British Columbia Gov. Premier John Horgawith July 1, 2021.)
カナダ政府の環境省気象サイト「カナディアン・ウェザー」によると、カナダ北西部の広範囲で過去に例のない熱波による高温状態が続き、現地時間の6月29日にバンクーバーの東約250km離れたブリティッシュコロンビア州リットンで49.6℃(121.3F)を観測。この日、過去に例のないカナダ国内最高気温記録を3日連続で更新した。
現地ブリティッシュコロンビア州は夏季でも気温は日常的に穏やかで、多くの家にはエアコンがなく、AFP通信社などは「バンクーバーの一部の住民がエアコンを求めて集まったため売り切れ」などと現地の様子を取材している。
この期間に熱波の高温が一因となったと思われる死者数も65人に及ぶと現地報道は伝えている。バンクーバー州の地元警察は、26日以降で130人以上の突然死に対応しているが、検死官によるとほとんどが高齢者で、死者の多くが元々健康状態に問題のあるものがいたため、今回の高温は死亡のきっかけとなった可能性が高いという。
同ブリティッシュコロンビア州のホーガン首相(写真)も、これまでカナダ国内の気温は45度を超えたことはなく、州がこれまで経験した中で最も暑い週が「家族と地域社会に悲惨な結果」をもたらしたと述べた。
広範囲に広がるドーム状の高温域と計画停電
高温状態はカナダ北西部に限らず米国北西部でも過去最高を記録し多くの死者が出ている。この間、ワシントン州とオレゴン州での少なくとも12人の死者は、熱波に関連していると考えられています。
気象専門家は、一般的に地球温暖化の気候変動は熱波などの異常気象の頻度を高めると予想しているが、今回の高温状態を地球温暖化に直接関連付けることには現時点ではまだ断言できないとの由。
一方、ホワイトハウス、バイデン米大統領は現地時間29日の会見で、米国のインフラネットワークを更新する計画を伝えるする際、この熱波(高温状態)は気候変動に関係していると述べている。バイデン大統領は翌日の現地時間30日に、毎年ほぼ同じ時期に起きている北米周辺の山火事に対応するため西部の州知事や消防当局と会っている。
カナダと米国の西部の高温状態は、カリフォルニアから北極圏に伸びる動きや変化の鈍い高圧熱風のドームによって引き起こされたものとされている。太平洋沿岸部では気温が下がるなど変化もするが内陸部では動きがないためあまり状態が変わらず連日の高温が続きます。
国立気象局によると、月曜日の米国太平洋岸北西部では、オレゴン州ポートランドで46.1℃、ワシントン州シアトルで42.2℃に達し、記録保持が始まって以来の最高水準となった。ワシントン州スポケーンにある電力会社も、住民がエアコンを使用する際の膨大な電力需要に対処するため計画停電を導入した。
夏を向かえる日本、暑さを防ぎ命を守る方法を再確認
一般的に、できれば屋内に避難するか日陰にとどまれといいます。ジョギング、ゴルフなどスポーツでの身体運動では特に注意。過激な運動を控え涼しいところで平静を保つことが大事だと言われています。食べ物と水は充分摂取すること。脱水状態は自分では気がつかない事もあるので特に水を飲むことが重要だと言われています(カフェインは利尿剤になることもあるのでできるだけ避けたほうが良いと言われています)。
体が40℃に達すると熱中症が始まる可能性があり、意識の喪失や臓器不全、そして死につながる可能性があるためとても注意が必要です。危険な兆候には発汗が止まったり(熱くても乾いている)呼吸困難などがあるとされています。
衣類やフードを着用し、通気性の高い生地を使用しできれば帽子をかぶりましょう。エアコンのない場所では、うちわ、冷感ジェル、フェイススプレー、冷水ボトルなどを試すなど工夫をしてみてください。繰り返しになりますが、最後に「飲み物は常に携帯しましょう。」
その他参考になるページ紹介:コロナ禍での「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント 厚生労働省
日本国内各地は連日の梅雨の雨、うっとうしい時期が過ぎたら今度は灼熱の夏を迎えます。その前にエアコンや扇風機などの点検や飲料ボトルの準備をしても損はない。早め早めの準備がイザというとき安心を伴います。
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