(Photo : CTV News )
カナダ現地報道によると、米国がクラスター爆弾をウクライナに移送すると約束していることについて、カナダ当局はその使用を非難すると述べた。CTVニュースの報道でカナダ政府は、「民間人、特に子供たちに対するクラスター爆弾の影響を終わらせることに尽力する」とも述べた。
同政府は、クラスター爆弾の製造、使用、譲渡、保管を禁止する国際条約を批准しているが、今回、クラスター爆弾をウクライナに移送すると表明した隣の米国でも、令和4年 2月には、ホワイトハウス報道官サキ氏が「クラスター弾の使用を戦争犯罪」とスピーチ。米国はその時点ではクラスター弾使用に反対の立場を主張していた。
しかしながらニューヨーク・タイムズ紙の伝えたところによると、ホワイトハウス関係者の話として、米国防総省はウクライナへの新たな軍事援助パッケージの発表で、大砲用のクラスター爆弾も含まれると報道された。
クラスター爆弾とは?
さて、このクラスター爆弾のその主な危険性や使用が禁止されている理由について簡単に説明すると、この爆弾は空中で弾倉の容器が開き、中にある数十〜数百発の多数の小さな発射体を散布する性質という。そしてクラスター爆弾の規模によっては、サッカー場数十個分の範囲にこの小さな爆弾が散布されるものもあるという。
国連によると、クラスター爆弾に詰め込まれた小さな発射体が不発地雷になりうると伝えており、この影響を受けるのは、民間人、特に子供が最も多く、最大の使用禁止の理由には発射体の不発部分が時限爆弾となり、数年後に被害を引き起こす可能性も指摘している。
これらの危険性により、2008年5月にアイルランドの首都ダブリンで開催された「クラスター爆弾に関する条約採択のための外交会議」(ダブリン条約)を持って使用を禁止された。この条約は111か国によって批准され、米国とウクライナを除く12か国が署名した。
悲惨な過去の被害の歴史
過去の歴史においてクラスター爆弾が使用された有名なケースは、第二次世界大戦中のナチスドイツがポーランドの歩兵などにSD-2 「バタフライ爆弾」を使用。そして1964 年から 1973 年にかけて、米国がベトナム戦争中にクラスター爆弾を使用。赤十字国際委員会は、ベトナム、ラオス、カンボジアに約2億8,500万発の小発射体が投下されたと報告。
また湾岸戦争中、米、英、フランスの航空機によって数万発のクラスター爆弾が投下された。NATOにおいても1999年にユーゴスラビアに数千発のクラスター爆弾を投下したと言われている。そして昨今では、国連は、ウクライナが2022年3月から9月までクラスター爆弾に頼ったと報告。
クラスター爆弾、副作用の多い兵器であり、副作用はあなたの子供や家族の幸せを奪うかもしれない。想像力があれば大量殺傷兵器の恐ろしさは瞼の内側に悲惨な光景が焼きつくはずだ。
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