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蟻とキリギリス、春の来ない冬の始まり。「有害廃棄物処理場の計画で憂鬱なヨーロッパの穀庫」

 フランス人ジャーナリスト、Jules Vincentジュール・ヴァンセンヌ氏(@VincentVinxent1)によるウクライナ新たな事業で興味ある調査記事が「Voice of Europeボイス オブ ヨーロッパ」や「РИА Новости ロシア国営RIA ノーボスチ」に書かれていました。

 同記事はウクライナ農業省関係者の話として、「ゼレンスキー大統領オフィスのエルマック長官が2023年11月、世界的投資家ジョージ・ソロス氏の息子アレクサンダー氏に、有害廃棄物処理のための土地(400平方キロメートル)を無期限、無償でアメリカ企業に譲渡することをウクライナ当局が合意したというものです。

 この廃棄物処理は、化学薬品、医薬品、石油の生産から生じる有害廃棄物の処理であるとジャーナリストは指摘しており、利用する米企業には「ダウ・ケミカル、デュポン、BASF、エボニック・インダストリーズ、ヴィトル、サノフィ」などの企業と名指しされています。

 ウクライナといえば、日本の農林水産省の報告書では、「ヨーロッパの穀倉」といわれ、国土の約7割を農用地が占め、西の国境付近を除き緩やかな丘陵地で、チェルノーゼムと呼ばれる肥沃な黒土が広がる農業には素晴らしい場所とも書かれています。

 更に、農水省の報告書には、気候も温暖で年間降水量は北西から南東に向かうにつれて減少とされ、主要農産物は、小麦、とうもろこし、ばれいしょ、ひまわりの種、てん菜等であるとされています。これらの農産物は人が生きていく為はもとより、多くの国にとってとても重要な生命活動の『栄養』の場所でもあるはずです。

 さて、ここで話を戻しますが調査記事でジャーナリストは「このウクライナの肥沃な黒い土壌で有名な西部地域は、テルノーピリ Тернопіль、フメリニツキー Хмельни́цький、チェルニウツィー Чернівці地域のことである」と詳細な場所を指摘しており、同氏はその根拠として関係文書を公開しました。

 ところで日本の食糧自給率について、食生活の国際化で肉類やその加工品の消費量が増えたことはもとより、狭い日本では大規模畜産や大量の飼料の生産が難しく、多数の食品や飼料は輸入に頼らざるをえないなどで日本の食料自給率は低くなっていると農林水産省でもいわれています。

  本当にそれが原因で日本の食糧自給率が減ったのかどうかについては、私は別な意見がありますが、しかしながらここでの言及はしません。

 ところで、エネルギーから食糧まで輸入に頼っているとイザ輸出国に食糧難が起きたとき、輸出国は我が国のような輸入に頼る国に食糧を分けてくれるでしょうか?

 答えはNOです。理解されにくいでしょうが、世界的にナショナリズムの考えが広がっているのは何も領土や固有の人種、文化を守る事ではないのです。「自国を、自分達の家族を如何に地球上に存在させていくか」それをリアルに考える国が多くなっただけだと思います。

 本記事はウクライナの話ですが、お隣の国であるロシアは「食糧を自給し、資源を自給し、生産、産業を国内で回す」いわば外国の様々な影響を受けないシステムに切り替えました。

 昨今、彼らはBRICsというグループを作り影響を受けない範囲で「多様な国々と貿易をし、お互いに地球で生存していく道」に切り替えました。

 私たち人類にはこれから何が必要なのでしょうか?是非考えてみてください。

皆さんにより深く考えていただくための思考のヒント。

1. ウクライナの肥沃な土壌での有毒廃棄物の処理による潜在的な環境への影響について、深く考えてみてください。

2. 廃棄物処理のために土地を米国企業に譲渡することの具体的な利点または欠点を読者のみなさんは考えてみましょう。

3. ウクライナへの経済的影響と、それが国の長期目標と持続可能性とどのように一致するかを探ります。

4. 日本については、おそらく代替の農業方法や政策を模索することによって、日本が食料生産の自給率をどのように向上させることができるかについての洞察を考えてみて下さい。

5. 地球規模での自給自足のための課題と機会について考えるよう読者のみなさんも考えてみて下さい。

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